2021年07月 No.113 

インフォメーション 2

市民の安全を守りたい
オギ工業の飛沫感染予防カーテン

DIY感覚で誰でも簡単に取りつけOK!
扱いやすいやわらか素材で、安心環境を創り出す。

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 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、感染リスク低減に役立つ塩ビ製品が全国で活躍しています。今回は、春日井市でビニール製品加工に一途に取り組む「有限会社オギ工業」の荻原利貞工場長に、昨年開発された「DIY感覚で取り付け可能な飛沫感染予防カーテン」についてお話を伺いました。

お客様の意見を取り入れ、安全・安心な環境をつくりだす製品を

-透明・半透明が選べる「DIY感覚で取り付け可能な飛沫感染予防カーテン」製作のきっかけを教えてください。
 ある業者さんから「ビニールでカーテンのようなものができないか」と問い合わせをいただいたのが始まりです。PCR検査用の簡易ブースや、患者さん同士の距離が近い人工透析の現場で不安が広がっていたそうで、安全な仕切りが求められていました。「DIY感覚」という名のとおり、取り付けも簡単。店舗や家庭の感染予防にも活用できそうだと感じ、現在は自社のホームページで販売しています。
 「飛沫感染予防カーテン」は①防炎機能+抗菌機能タイプ(透明)と、②抗菌機能タイプ(透明・半透明)の2種類ご用意があります。

荻原利貞氏
荻原利貞氏

-布カーテンや、アクリルパーテーションとはどんな違いがありますか?
 一般的な布カーテンとは違った安全性を持ち合わせています。布カーテンの場合、レールとカーテンとの間にすき間ができて空気が通ります。「飛沫感染予防カーテン」は、ビニールカーテンの上部にファスナーを溶着することで、レールに直接カーテンを取りつけられるので、レールとカーテンとの間にすき間ができず、飛沫をより通しにくい構造になっています。
 アクリルパーテーションとの違いは、扱いやすさと安全性。「飛沫感染予防カーテン」は、布のようにハサミでカットして使えますし、カーテンがレール上でスライドするので、使わない時は端に寄せるなど空間をフレキシブルに使えます。また、素材が軽くて柔らかいので、万一落下しても割れにくく安全です。

6連レールには最大6枚のカーテンが掛けられる。
6連レールには最大6枚のカーテンが掛けられる。

-開発中の課題は、どのように克服されましたか?
 「まず現場を知ろう」と、ある企業の商談スペースに「飛沫感染予防カーテン」を取りつけていただきました。「透明だと、別テーブルと目が合って気になる」とご意見をいただき、半透明のカーテンも製作。現場でお客様とお話しすることが、製品のブラッシュアップにつながっています。

取り付け可能な飛沫感染予防カーテン
取り付け可能な飛沫感染予防カーテン

「モノづくりに終わりなし」。技術を磨きアイデアを活かした製品づくりを

-お話を伺っていると、お客様との対話を大切にされていることが伝わってきます。
 そうですね。ご要望は100%満たしたいし、できるならそれ以上の提案をして喜んでいただきたい。だからこそ、意見を交わし合って仕事を進めています。

-御社が、お客様から信頼を集める秘訣はなんだと思われますか?
 ひとつは、長年ご愛顧くださるお客様を大切にしてきたこと。突発的な大型案件が舞い込んだときは、既存業務に確実に対応できるか考えて判断します。
 もうひとつは、ソフトオレフィンなど多様な素材の加工技術を培ってきたこと。「別の会社に相談したら『オギ工業ならできるんじゃない?』と教わったので」と問い合わせてくださる方もいらっしゃいます。ありがたいですね。

-最後に、今後はどんな製品づくりに取り組みたいですか?
 「飛沫感染予防カーテン」にプリントしたり、ポケットをつけて、感染予防できるインテリア商品として提案したいです。お客様の希望を叶えながら、自分たちのアイデアを製品化したいですね。社内でも、面白いアイデアがないかよく話し合っています。社員にもモノづくりの奥深さを伝え、これからも一緒に頑張っていきたいです。

有限会社オギ工業

 創業1948年、国内でいち早く、塩ビなどビニール製品の加工・販売を手がけてきた。長年、品質の向上と事業領域の開拓に努めている同社は、新たな需要に合わせた高周波ウェルダー加工機の導入など、設備投資にも積極的。「モノづくりに終わりなし」の方針が示す通り、製造に真剣に取り組み、試作1つから対応している。近年は、ホームページやSNSでの情報発信もスタート。業界を超えた出会いから、自社製品の製作にも乗り出している。

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