2015年6月 No.93
 

JPEC研修会、今年も東京・大阪で好評開催

塩ビの最新情報、高周波技術の応用、欧州の化学物質規制状況などを紹介

 塩化ビニル環境対策協議会(JPEC)主催の研修会が、大阪(2月23日、大阪市・阪急グランドビル)、東京(3月6日、千代田区・如水会館)で開催され、両会場とも、JPEC会員団体のメンバーや塩ビに携わる関係者ら50名以上が参加して、講師の話に熱心に耳を傾けました。

大阪会場の模様

東京会場の模様

●タイムリーなテーマ設定が魅力

JPEC小坂田氏が基調講演

 JPEC研修会は、会員団体のメンバーや塩ビの製品関係者に向けて、塩ビを取巻く最近の状況などを紹介するために毎年開催されているもの。JPEC事務局による基調講演に加えて、東京、大阪各会場ごとに行われるゲスト講師の講演が、そのタイムリーなテーマ設定で大きな魅力となっています。
 今年の研修会では、まず「塩ビをめぐる最近の状況」と題して、JPEC事務局の小坂田史雄氏(塩ビ工業・環境協会 環境・広報部長)が基調講演。国内外の需要動向や規制動向(特に全国的な展開が期待される樹脂サッシの状況や、グリーン購入ネットワークのガイドラインから塩ビの情報提供項目が削除された動きなど)について報告したほか、日本壁装協会の新たなリサイクルシステム開発の取り組み、「PVC Design Award」の取組概要などについても説明を行いました。

●山本ビニター・梅本氏(大阪)とシャープ・和田氏(東京)が講演

 ゲスト講師の講演は、大阪が山本ビニター(株)の梅本等氏による「高周波技術の応用」、東京がシャープ(株)環境安全推進本部 環境企画推進部の和田克士氏による「欧州化学品規制の最新動向」。
 このうち梅本氏の講演は、高周波技術の基礎知識や応用研究の現状などを紹介したもので、塩ビ業界では軟質塩ビを溶着させる技術として知られている高周波が、がん治療をはじめ、木材の乾燥、冷凍食品の解凍技術などさまざまな分野で応用されているという話が参加者に驚きを与えました。
 一方、和田氏の講演は、電機・電子4団体欧州化学品規制WGの2014年度主査を務める立場から、改正RoHS指令(RoHS2)の概要と見直し動向、REACH規則に対する電機電子業界の対応、RoHS2の追加制限4物質の経緯などを解説したもの。このほか、REACH規制に基づくCoRAP(物質評価計画)公表の動きなど、盛りだくさんな内容を分かりやすく紹介して好評を博しました。
 参加者からは「塩ビの現在の国内及び海外の需要状況について継続的な情報発信を望む」という意見や、「塩ビ加工ではなじみ深い高周波技術のいろいろな使い方、他業界の化学物質への取り組みが聞けてとても参考になった」などの意見が寄せられました。