2014年12月 No.91
 

「PVC Design Award 2014」表彰式

準大賞に梶本博司&時田宗弘 両氏の「0 tape」(ゼロテープ)
優秀賞は6作品、入賞は14作品。ひと目で欲しくなる、楽しい作品ぞろい

 〈 I WANT THIS!(これ欲しい!)〉をテーマに開催された「PVC Design Award 2014」(主催=PVC Design Award実行委員会)の入選作品が決まり、10月29日の午後4時から、東京千代田区の如水会館で表彰式が開催されました。今回は、大賞は該当なしとなったものの、梶本博司氏と時田宗弘氏((株)ナショナルマリンプラスチック)の「0 tape」が、見事準大賞を獲得。優秀賞に選ばれた6作品、入賞の14作品も含めて、テーマどおりの「ひと目見たら誰でもが欲しくなる」ような楽しい作品が出揃いました。
準大賞を受賞した梶本氏(右)と時田氏
優秀賞受賞作品と応募者の方々

選考理由

 準大賞に選ばれた「0 tape」は、ソフトPVCの粘着性を利用した、糊を使用しない透明テープ。対象物を傷めず、何度でも再使用が可能。テープ自体の存在を消す「あるけどない」という逆転の発想が、画期的なデザインコンセプトと評価されました。

受賞の言葉

「色、形ばかりがデザインではありません。自己主張せず、陰で他を引き立てるようなデザインがあってもいい。前からやってみたかったことが、塩ビの特性を利用することで実現できました。受賞できてとてもうれしい」(梶本氏)
「アワードに応募することを決めてから、以前から知り合いだった梶本さんにデザインをお願いしました。製品化に際しては、素材メーカーや加工会社の方々にもお世話になっています。受賞は皆さんのお陰です」(時田氏)

応募総数349件。「アイデアの広がりを実感」(大竹審査委員長)

 ソフトPVCを素材にした斬新なデザインの発掘をめざし、塩ビのサプライチェーンが一丸で取り組んだ「PVC Design Award 2014」(第4回)。今回の応募総数は計349件(デザイン部門268件、製品部門81件。昨年は計327件)と、前年より20件余り増加。回を重ねるにつれて、デザインコンテストとしての知名度が着実に浸透しつつあることを窺わせました。表彰式では実行委員長を務めた塩ビ工業・環境協会の宇田川会長が「若い人の応募の増加、作品の質の向上が際立った。川上から川下までの協力で業界の一体感もさらに深まった」と述べ、各受賞者に表彰状を贈呈。その健闘を称えました。(受賞者の詳細はhttp://pvc-award.com/参照)。

▲左から、来賓として出席した経済産業省大臣官房の谷明人審議官、日本インダストリアルデザイナー協会の山口正幸事務局長、閉会の挨拶を述べた日本ビニル工業会の清水浩会長

 大竹美知子審査委員長の講評から

 今回の応募作品は、準大賞受賞作をはじめ、ソフトPVCの新しい使い方を追求したものが多く、楽しく審査させてもらった。折り曲げ加工、粘着力、さらには遊び心や空間感覚への着眼、今までない加工方法の採用など、〈 I WANT THIS ! 〉というテーマにふさわしい、アイデアの広がりを実感できた。

▲入賞者のみなさん。
◀コンテストに積極的に参画し支援を行った14社に宇田川会長から感謝状を贈呈。右は受賞者代表の白金化成(株)・高瀬進氏
▲式後に開かれた懇親パーティの模様(上の写真左は、開会挨拶を述べた日本ビニール商業連合会の勝山会長。右は乾杯の発声を行った東日本プラスチック製品加工協同組合の時田理事長)。

PVC Design Award 2014 実行委員会 東日本プラスチック製品加工協同組合、中日本プラスチック製品加工協同組合、西日本プラスチック、製品加工協同組合、日本ビニール商業連合会、日本ビニル工業会、塩ビ工業・環境協会
協 賛 九州ビニール製品工業会
後 援 経済産業省 / (公益社団法人)日本インダストリアルデザイナー協会

東京、名古屋、大阪、福岡で受賞作品の展示会を連続開催

 
準大賞
「0 tape」

●受賞作品など、多彩なアイデア作品約50点を公開(東京会場)

 表彰式の終了後、「PVC Design Award 2014」受賞作品を紹介する展示会が、東京(10月30〜31日、港区六本木のAXISギャラリー)、大阪(11月5日、メビック扇町)、名古屋(11月7日、三協化成産業(株)名古屋本店)、福岡(11月27日、アクロス福岡)の4都市で連続開催されました。東京の展示会では、受賞作品21点のほか、賞は逃したものの評価の高かった作品も含め約50点を公開。ソフトPVCの特性を生かし切った多彩なアイデア製品の数々が、訪れた一般の人々やデザイン業界関係者らの注目を集めました。