2013年3月 No.84
 

特集/PVC Design Award 2012

初の大賞に、鈴木伸也さん((株)三洋)のアイディア作品「PUSHION」
フレッシュな刺激あふれる応募作品の数々。厳正審査で18件を表彰

 社会に役立つ塩ビ製品を公募する「PVC Design Award 2012」の入賞作品が決まり、去る11月27日の午後、東京千代田区の如水会館で表彰式が開催されました。塩ビのサプライチェーンが一丸で取り組んだデザイン発掘コンテストも今年で2回目。今回は、昨年惜しくも該当なしとなった大賞受賞作が初めて選出されるなど(鈴木伸也さんの「PUSHION」)、フレッシュな刺激に満ちた作品が多数寄せられました。
初の大賞受賞作品「PUSHION」

● 学生、デザイナーなど全国から242件の応募

「PVC Design Award 2012」主催団体

主催/東日本プラスチック製品加工協同組合
   中日本プラスチック製品加工協同組合
   西日本プラスチック製品加工協同組合
   日本ビニール商業連合会
   日本ビニル工業会
   塩ビ工業・環境協会(VEC)
協賛/九州ビニール製品工業会
後援/経済産業省
  (社)日本インダストリアルデザイナー協会

 「PVC Design Award」は、軟質塩ビのさまざまな特長(柔軟性、着色性、加工性、透明性など)を生かした斬新なデザインおよび製品を業界内外から公募するもので、昨年、「塩ビものづくりコンテスト」のタイトルで初開催され大きな反響を集めました。
 第2回目となる今回は、「社会に求められる『〇〇×Soft PVC』」(「アイデアは既存の掛け合わせから生まれる」との意味)をテーマに、4月〜8月にかけて作品を募集。デザイナーや学生、一般など全国から計242件(デザイン部門144件、製品部門98件)もの力作が寄せられた中から、大竹美知子審査委員長(共立女子大 家政学部 建築・デザイン学科教授)ら審査委員4名による厳正な審査を経て、計18件の受賞作(大賞1、優秀賞2、特別賞6、入賞9)が決定したものです。(詳細は日本ビニル工業会のHP〈http://www.vinyl-ass.gr.jp〉参照)

「まだアイデアがいっぱい」大賞の鈴木さんが喜びの言葉

 大賞に選ばれた「PUSHION」は、息を吹き込む代わりに、特殊な弁を利用して、押すだけで簡単に膨らませることができる携帯用クッション。自由に膨らみを調節できる上、パイプ椅子などと違って嵩張らず、小さく折り畳めてるので、釣りやスポーツ観戦用など、「魅力的な商品につながる」可能性が評価されて、初の大賞受賞につながりました。
 応募した鈴木さんは、会社で製品開発を担当する2児のパパ。「家族でアウトドアを楽しむことが多く、自分でもこんなものが欲しいなと思っていました。1年前に思いついて試作しましたが、大賞は予想もしなかった光栄。硬くも柔らかくもなる塩ビは、利便性の高い製品を作るには最高の素材で、実は他にももっとアイデアがあるんです」と、喜びを語っていました。
主催者を代表して挨拶する森実行委員長(左上も)
▲優秀賞は、森川良一さん(奈良県葛城市のSUNBOOT 代表)の作品「染めを履く」(左)と、山崎正彦さん((株)三洋)が代表で開発した「エアーディンプルボール」。
「染めを履く」は、塩ビを特殊な染料で染め上げたファッションサンダル。「エアーディンプルボール」は、2層構造のエアーボールの表面に凹凸をつけた、高齢者も子どもも楽しめるスポーツグッズです。

● 日本のものづくりを活性化するコンテスト

 
渡邊審議官   大竹委員長

 11月26日の表彰式では、実行委員長を務めたVECの森俊三会長が、「今回の成果が今後の日本のものづくりの活性化、業界の発展につながること、そして塩ビの新たな価値作りにつながることを強く期待する」と挨拶したほか、来賓の経済産業省製造産業局・渡邊宏審議官も、「PVC Design Awardは日本のものづくりを活性化し、多くの人々に元気を与えるコンテスト。我々も業界と連携して、日本の潜在的競争力を高める政策立案に取り組んでいきたい」と、塩ビ業界の意欲的な取り組みを評価。また大竹審査委員長は「今回の入選作はいずれもイノベーションを感じさせる、賞にふさわしい作品ばかりだった」と、成果を総括しました。

● 受賞者の健闘を称えて

 会場ではこの後、森実行委員長が各受賞者に表彰状と副賞(大賞は賞金50万円)を贈呈。また、コンテストに積極的に応募、協力した11社にも、日本ビニル工業会の伊藤守会長から感謝状が贈られ、受賞者の健闘を称える約100名の出席者から盛大な拍手が贈られました。
 表彰式の後には記念のパーティが開かれ、西日本プラスチック製品加工協同組合の河野修一郎副理事長の祝辞と乾杯の後、受賞者を囲んで懇親のひと時をすごしました。

 
森実行委員長から表彰を受ける特別賞受賞者の方々
(上の写真は、懇親パーティで乾杯の発声を行った河野副理事長)