2008年12月 No.67
 

『リサイクルビジョン』フォローアップまとまる

塩ビのリサイクル推進へ、各分野で拍車。策定後1年を機に現状を検証

 塩化ビニル環境対策協議会(JPEC)と塩ビ工業・環境協会(VEC)が、リサイクルの一層の推進をめざして共同策定した『リサイクルビジョン−私たちはこう考えます−』。策定から1年余り経過したのを機に、その進捗状況などを検証したフォローアップ「リサイクルに関する塩ビ業界の取組みと進展」がまとめられました。概要をご紹介します。

●「塩ビリサイクル支援制度」の9月締切り申請案件の採択が年内決定

  VECでは、塩ビのリサイクル進展を目的に、関係企業・団体の先進的な取り組み(リサイクル技術の開発やリサイクルシステムの構築など)を支援する「塩ビリサイクル支援制度」を2007年9月に創設。12月の第1次募集では、多数の応募案件の中から、外部有識者で構成する評価委員会(委員長:化学技術戦略推進機構 理事長 中島邦雄氏)の検討を経て、◎複合塩ビ廃材のマテリアルリサイクルシステムの開発(アールインバーサテック株式会社)、◎PVCタイルカーペット廃材のリサイクルに関する研究(住江織物株式会社)、◎塩ビ壁紙廃材を原料とする吸着性炭化物の製造研究(株式会社クレハ環境)の3件が採択されました(詳しくは本誌No.65参照)。いずれも、リサイクルが難しい塩ビ複合製品のマテリアルリサイクルに関する意欲的なものばかりです。
  なお、9月締切りの募集案件については評価委員会の審査が進行中で、年内には採択案件が決定する予定。塩ビのリサイクルに新たな道を開く取り組みが更に加速するものと期待されます。

●塩ビ建材のエコマーク対象製品も増加中

 2005年に(財)日本環境協会が、一定の基準を満たした塩ビ製品のエコマーク認定に踏み切って以降、リサイクル塩ビ材料を使った塩ビ製品のエコマーク認定基準制定が続いています。これまでに制定されたのは、1.壁紙、2.床材、3.階段滑り止め、4.アコーディオンドア、5.ルーフィング、6.デッキ材、7.木材・プラスチック再生複合材、8.雨水貯留槽、9.排水・通気用硬質塩ビ管、10.住宅用浴室ユニット、の10製品。塩ビのマテリアルリサイクル適性に対する評価は着実に高まっています。
  一方、ケミカルリサイクルの分野では、VECがJFE環境(株)と連携して進めている高炉原料化リサイクルが、2007年度は年間最多となる約4000トンを記録。農ビ、壁紙、パイプなど、様々な理由でマテリアルリサイクルが困難とされた製品が有効に活用されています。また、高炉原料化については、流通大手のイオン(株)が使用済み塩ビ製ギフトカードのリサイクルにこの高炉原料化プラントを採用した(2007年12月から)という話題も。

●塩ビ管のリサイクル率は6割に

 このほか、加工団体を中心に各分野で塩ビ製品のリサイクルが進展しています。 塩化ビニル管・継手協会が取り組む塩ビ管・継手のリサイクル事業では、2007年度、排出量の60%に当たる約2万1000トンを再生塩ビ管などにリサイクル。茨城県、愛知県、和歌山県、福岡県に続き、神奈川でも建設リサイクル資材の率先利用認定資材に指定され、2008年4月から運用されています。
  農ビについては、(社)日本施設園芸協会のもとで排出量の68%に相当する4万5000トンが床材などにリサイクルされています。床材では、インテリアフロア工業会が建築施工時に発生する端材、余材のリサイクルモデル事業を実施中。2007年度は約20トン余りが床材の裏層に再利用されました。タイルカーペットでは、塩ビ層の精密切削粉砕加工技術で知られるリファインバース(株)が、2006年から同社千葉工場でリサイクル事業をスタート。2007年度は1万5000トン近くをリサイクルしています。
  典型的な難処理物でリサイクルが困難とされてきた塩ビ壁紙も、近年、施工端材のマテリアルリサイクルが進み、2007年度は排出量の約4%がリサイクルされました。塩ビサッシは、2007年度から札幌市周辺を対象にリサイクルモデル事業をスタート。塩ビ雨樋も、中部3県(愛知・三重・岐阜)を対象に新築時の端材回収システムのモデル事業を実施中。2007年度は排出量の約20%が回収されました。