2007年12月 No.63
 

報道クリッピング あいつぐ「塩ビ復権」報道。
変化するメディアの眼差し

省エネ・長寿命性など、環境貢献素材・塩ビへの社会的期待を背景に
 塩ビの復権を伝える報道があいついでいます。塩ビの省エネ・長寿命性などに対する社会的な期待の高まりを受けて、メディアの眼差しにも変化の兆しが−。

●住宅・電機業界の“塩ビ回帰”をレポート


出典:『日経エコロジー』
2007年4月号
  <静まる“塩ビバッシング>のテーマで、4頁におよぶ特集レポートを掲 載したのが、『日経エコロジー』4月号。サブタイトルは「塩化ビニルに“復 権”の兆し 住宅・電機メーカーが再評価」
 記事は、霞ヶ関の合同庁舎5号館オフィスに塩ビサッシをモデル採用した 環境省や、「グリーン購入ガイド」から“非塩ビ”の記述を除外した東京都 などの動きを伝えた上で、一時の塩ビバッシングから“脱塩ビ化”に向かっ ていた産業界の流れが、住宅・電機業界を中心に急速に“塩ビ回帰”しつつ ある現状をレポートしたもので、そうした変化の背景を「ダイオキシン・環 境ホルモン問題に対する理解が深まってきた」ことで、「塩ビを悪者扱いす る風潮」が静まり、耐久性や低コスト、省エネ性が評価されてきた結果と分 析。依然「塩ビ全廃」を掲げるメーカーはあるものの、全廃実現までの道の りは「容易ではなさそうだ」と予測しています。
 その一方で、「塩ビに残された最大の課題はリサイクルの促進」として、「複合材を含めたリサイクルの仕組 みが整い、実際に再利用した実績を積み上げて初めて、塩ビが全面的に“復権”することになる」との指摘も。

●塩ビ業界のリサイクル成果にも注目

出典:『日経ビジネス』
2007年11月19日号
   『日経ビジネス』11月19日号の「環境へのやさしさを追い風に、見直さ れる万能素材、塩ビ」でも、幅広い素材特性から社会の様々な分野で用いら れてきた塩ビの有用性に着目。ダイオキシン問題や環境ホルモン問題から一 時はよくないイメージが広がったものの、それが誤解であったことが証明さ れてきた結果、「塩ビ使用をやめていた企業も方針を転換しはじめた」と、 最近の“名誉挽回”の流れをまとめた上で、単に復権しつつあるだけでな く、「環境にとってメリットが多いという積極的な評価も広がりはじめた」と して、塩ビサッシの断熱・省エネ効果などを紹介しています。
 また、後段では、塩ビ管や農業用ビニルフィルムのマテリアルリサイク ル、高炉還元によるケミカルリサイクルなど、塩ビ業界が取り組むリサイク ル活動の成果にも言及。「このようにリサイクルの体制が着実に整えられて いる」うえに、塩ビはLCA的にも「非常に優れた素材でもある」として、「かつて環境の面から言われなき 汚名を着せられた塩ビは今、逆に環境性を追い風に、その価値を高めつつある」と結んでいます。



第5回「住まいと環境・エネルギーセミナー」開催

“リフォームと地球温暖化を考える”テーマに、
樹脂サッシの省エネ効果などでパネル討論


  第5回目の「住まいと環境・エネルギーセミナー」(主催=(財) 地球・人間環境フォーラム/塩ビ工業・環境協会(VEC):後 援=環境省)が10月27日、東京有明の東京ビッグサイトで開催 され、およそ300名の参加者が“リフォームと地球温暖化を考 える”をテーマとしたパネラー各氏の話に耳を傾けました。

●アグネス・チャンさんのトークセッションも

左から、酒井ゆきえ、小林光、坂本雄三、 宮崎学の各氏と、土屋隆VEC会長
  「住まいと環境・エネルギーセミナー」は、地球環境問題を「家作り」という身近な視点から考えてみよ うという狙いから毎年開かれているもので、今回は昨年と同様、同時開催中の「日経住まいのリフォーム博 2007」(10月25日〜28日)特設ステージを会場に、2部構成で熱心なセミナー風景が繰り広げられました。  VECの土屋隆会長の挨拶の後に開かれた、第1部のトークディス カッションでは、フリーアナウンサーの酒井ゆきえさんを司会に、環 境省の小林光大臣官房長、東京大学の坂本雄三教授、“自然界の報道 写真家”宮崎学さんが、「地球温暖化防止」と「窓とリフォームとの 関係」をめぐって意見交換。
 中でも、環境省内に樹脂サッシをモデル採用して冬季の無暖房化を 実現した環境省の取り組みの報告(小林官房長)や、省エネ・結露防 止をはじめとする樹脂サッシの効果の解説(坂本教授)などに、来場 者は強く興味を引かれた様子。また、「環境を“タマキノサカイ”と読めば自然はすべてが繋がっていること が分かる。地球が大家で人類は店子だ」という宮崎さんの言葉も来場者の共感を呼んでいました。
 一方、第2部のトークセッションでは、歌手・タレントで日本ユニセフ協会大使としても活躍中のアグネ ス・チャンさんが、広く海外を視察してきた経験から温暖化の深刻さや、欧米における樹脂サッシの普及状 況などを紹介。さらに、夏でも冷暖房はできるだけ使わないといった家庭での省エネ実践のエピソードも披 露した上で、「日本には“気づかい”という素晴らしい言葉がある。未来の子どもたちのために、少しの“気 づかい”で世界を変えていこう」と呼びかけました。
 なお、「日経住まいのリフォーム博2007」には、樹脂サッシ普及促進委員会・樹脂サイディング普及促進 委員会が共同出展し、4日間にわたって塩ビサッシ・塩ビサイディングについてPRを行いました。