2004年12月 No.51
 
第2回「住まいと環境・エネルギーセミナー」開く

  慶大「クリーンで快適な住まい」をテーマに、
  基調講演、パネル討論など

 

    第2回「住まいと環境・エネルギーセミナー〜きれいな地球…私たちに出来ること」(主催=(財)地球・人間環境フォーラム/塩ビ工業・環境協会;後援=環境省)が11月26日午後6時半から、東京都千代田区半蔵門の東京FMホールで開かれ、およそ300名の参加者が、講演者らの話に耳を傾けました。  

 

■ 樹脂サッシ・サイディングの普及も課題

 今回安全で快適な次世代の住まいづくりをテーマに昨年初めて開催され話題を集めた「住まいと環境・エネルギーセミナー」。第2回目となる今回は来賓に小池百合子環境大臣を迎えて国の環境政策の方向について話を伺ったほか、淑徳大学・北野大教授の基調講演や有識者のパネルディスカッションなどを交えて、活発なセミナー風景が繰り広げられました。
 このうち、京都議定書発効後のCO
2削減へ向けた国の対策について説明した小池大臣は、「生活部門でのCO2排出が増加しており、削減計画を達成するには樹脂サッシや複層ガラスなどを利用した省エネ住宅の普及が重要」と指摘。その上で、「現代は環境革命の時代であり、新しい発想で日本がこの革命をリードしていかねばならない」と訴えました。
 北野教授の基調講演は、人類のエネルギー利用の歴史と未来のあり方をテーマとしたもの。この中で教授は、「50万年前の火の利用から始まって産業革命まではすべて“地上の太陽エネルギー”が使われてきた。地球温暖化は産業革命以降、石炭、石油といった“地下の太陽エネルギー”に依存してきた結果起こった問題であり、これからは再度地上の太陽エネルギー利用を考えなければならない」として、太陽光、風力、バイオマスの利用が未来を支える新エネルギーになるとの考えを示しました。
 一方、「家庭での省エネ実践度に関するアンケート」結果報告(説明は三菱総合研究所・小島浩司主任研究員)を挟んで開かれたパネルディスカッションでは、日本環境ジャーナリストの会理事でフリーアナウンサーの村田佳壽子さんを進行役に、北野教授、環境省の小林光環境管理局長、東京大学の坂本雄三教授、塩ビ工業・環境協会(VEC)の中原茂明会長の4氏が、これからのエコハウスのあり方などについて意見交換。
 討論の中では、実際にエコハウスに住んでいる小林局長の体験談を皮切りに、樹脂サッシやサイディングなどの有用性に議論が集まり、こうした省エネ建材の普及には、製品情報の積極的なPRや、利用にインセンティブを与える制度の整備などが不可欠との課題が指摘されました。