2000年3月 No.32
 

 特集・塩ビ建材のリサイクル

 

3. 塩化ビニル管・継手協会が発泡三層管を規格化

低品位塩ビ管廃材を再利用、リサイクルさらに前進

  塩化ビニル管・継手協会は、汚れや劣化の激しい塩ビ管廃材を再利用した発泡三層管の協会規格(AS 59)を1月25日付けで制定しました。
 塩ビ業界では、塩化ビニル管・継手協会と塩ビ工業・環境協会(VEC)を中心に、現在塩ビ管・継手廃材のリサイクルに取り組んでおり、“パイプからパイプへ”のマテリアルリサイクルとフィードストックリサイクル(高炉原料化やセメント原燃料化)を合わせ「100%リサイクル」を目標に掲げ、回収システムの構築や再生品開発を進めています。
 今回の発泡三層管の規格化は、昨年4月に定められた「排水用リサイクル硬質塩化ビニル管(REP管)」の規格(AS 58)に続く、協会規格の第2弾となるもので、低品位の塩ビ管廃材が再利用できるようになったことにより、塩ビ管のリサイクルは目標達成へさらに大きく前進することが期待されます。

 

品質、性能はJIS管と同等

  規格化された発泡三層管の正式名称は「建物排水用リサイクル発泡三層硬質塩化ビニル管(RF−VP)」。管の外面と内面にバージン塩ビ樹脂を用い、中間層に汚れや劣化の激しい塩ビ管廃材を挟み込んだ設計で、中間層を発泡構造にしたことにより、「防露性や断熱性に優れる」「熱収縮性が低い」などの性能を付加することに成功しました。
 品質、性能は一般の流体輸送配管に用いるJIS規格の硬質塩化ビニル管(VP管)とほぼ同等で、用途は内圧のかからない建物排水用に限定しています。色は都市基盤整備公団の指定色であるアイボリーが採用されています。
 今回の規格化を機に、塩化ビニル管・継手協会では建設省大臣官房営繕部の『機械設備工事共通仕様書』に記載されるよう関係方面に働きかけていく方針です。