1997年3月 No.20
 
『PVCニュース』発刊20号に寄せて






 塩化ビニルリサイクル推進協議会会長 専田 彬 

  『PVCニュース』は、1992年6月に初版を発刊して以来、本号で第20号となりました。本紙は、塩ビに関する正しい知識の普及と再資源化技術の指針づくりを目的として設立された、塩化ビニルリサイクル推進協議会の事業の推進状況をできるだけ詳細にお知らせするとともに、塩ビ廃棄物問題に関する内外の動向等をご紹介する目的で発刊しています。
  その後、読み易くするために装丁を変更したり、紙面の充実を図って、より幅広い情報を掲載するよう努力するなど、種々試行錯誤を重ねながら5年が経過いたしました。この間、環境問題に関する社会の関心は一層高まりつつあり、企業にとって環境問題の解決は益々重要な課題となってきております。
 
  塩ビのリサイクルにつきましては、これまでにもお知らせしてまいりましたとおり、いくつかの手法がございます。資源の有効利用という点で分かりやすい手法はマテリアル・リサイクルですが、この手法には回収量や回収コスト、あるいは再生品市場の育成といった難問がございます。
  従って、マテリアル・リサイクルのみならず、サーマル・リサイクルやケミカル・リサイクルを組み合わせて、資源の有効利用を考えていく必要があるわけですが、塩ビには焼却すると塩化水素を発生するという問題もございます。
  今後はこれらの諸問題を解決するための技術開発を進め、業界としての方向性を検討したいと考えております。また、リサイクル問題は環境問題の一部にすぎません。塩化ビニルリサイクル推進協議会では多角的に塩ビをみつめ、地球環境と塩ビが共存し得るようあらゆる努力をしてまいる所存でございます。
 
  『PVCニュース』では、この辺の動向につきましても逐次お知らせしつつ、所期の目標を達成したいと考えています。今回のアンケート結果などからも、本誌に対する業界内外の機体と注目は想像以上に大きいことがうかがわれます(13頁「広報だより」参照)。
 今後とも従来にも増してご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。

 

  1997年3月