1995年12月 No.15
 

 レポート・第4回「塩ビ3極会議」から

  カナダ・トロント市に13カ国85名が集合 −広報活動の在り方などテーマに情報交換

 

    日米欧の塩ビ製造者が一堂に会する第4回「塩ビ3極会議」が、去る10月16日〜18日までカナダのトロント市で開催され、13カ国85名の代表が、3日間にわたり塩ビ廃棄物を含む環境問題などについて意見交換を行いました。  

日本が基調講演、広報活動の現状報告

  「塩ビ3極会議」は、世界の塩ビ業界関係者の情報交換の場として1992年から毎年開かれているもので、今回の会議には、前回(第3回)ホスト役を務めた日本からも当協議会の佐藤彰夫会長ら14名が参加しました。
  今回の会議の特徴は、リサイクルに関する技術的な問題よりも、業界内外に対する広報の在り方が議題に取り上げられたことで、具体的には塩ビに対する批判的な動きへの対応、塩ビ産業のイメージ改善のための伝達・広報主要テーマに、前者についてはヨーロッパ、広報については日本が基調講演を行った後、分科会に分かれて、基調講演を参考にしつつ意見交換が行われました。

 

塩ビPRのための行動指針を決定

  このうち、日本が行った基調講演は、「コミュニケーションの基本は相手を知りことであり、相手によって伝達手段を変えなければならない」との認識に基づいて、事例紹介をまじえながら広報活動の現状を報告したもの。
  分科会では、この日本の基調講演を踏まえて、他の参加国からも広報活動の実情に関する発言が寄せられ、最後には分科会のまとめとして「塩ビの良さをPRする3つのキーメッセージ、即ち、安全性、価値、環境にやさしいもの、を伝える各国の具体的な活動事例を持ち寄り、それを参考により肯定的なコミュニケーション活動を進めよう」との短期の行動指針が決定されました。
 

 

来春から世界情報センターも稼働

  また、今回の会議では、情報収集と情報交換の充実を目的に前回の東京会議で設立が決定されていた世界情報センター(International Clearing House)についても具体的な計画が提案され、1996年4月末までにすべての準備を完了した後、ブリュッセルに開設される本部を通じて各国への情報伝達活動が始まることとなりました。
  一方、会議の規模が年々世界的な広がりを見せていることに対応して、次回から会議の名称を塩ビ世界会議(PVC Gloval Conference)に変更することも決定、すべての関係国が参加できる体制を整えたほか、最後に第4回会議の共同コミュニケを採択して3日間の討議に幕を下ろしました。
  なお、次回の会議は来年10月上旬、ヨーロッパで開催される予定です。

 

第4回塩ビ3極会議共同コミュニケ(抜粋)

  世界13カ国のPVC代表85名は第4回PVC3極会議に出席し、PVC(ビニルまたは塩化ビニル樹脂)が一層社会に貢献する道を模索するとともに、その製造と使用において人間の健康と環境を守る決意を新たにした。
  PVC業界は、その製品の製造、使用、リサイクルおよび処理に関連して、環境の保護に大きな進歩をなし遂げ得たと確信するものであるが、将来共なお一層の努力を尽くすことを決意した。かかる目的のため、PVC業界は次の事項を実行してゆくこととした。
  ・環境の改善に役立つ技術的情報とノウ・ハウの共有化に一層の努力を尽くすこと。
  ・業界内で情報を共有化することは勿論、一般社会に対してPVCの有用な側面を伝えてゆくと共に、PVCと社会におけるPVCの役割とを全世界に伝えるための努力を強化すること。
  ・機械的および化学的方法によるPVCのリサイクルと再使用の新しい方法を見いだす活動を継続的に拡大してゆくこと。