2015年3月 No.92
 

第6回「塩ビフォーラム」開く

塩ビの新たな可能性、技術開発、世界の市場動向をテーマに3氏が講演

  ◀開会に当たって、VECの亀高副会長が挨拶。
「塩ビの社会的使命をどう発展させていくか。今回はそんな塩ビの社会貢献を考える会にしたい。今日の3つの講演を聴いて、その中から何かを掴んでお帰りいただければありがたい」と述べました。

 塩ビをめぐる様々な研究や最新情報の発表の場となる「塩ビフォーラム」(一般社団法人近畿化学協会と塩ビ工業・環境協会〈VEC〉の共催)が、昨年12月5日の午後、東京都中央区のVEC会議室で開催されました。同フォーラムの開催はこれで6回目。この日は、塩ビの歴史と新たな可能性、レザー用塩ビパウダーをめぐる技術開発の状況、世界の塩ビ市場動向と将来予測などをテーマに、3人の講師が詳細な情報を報告。いずれも中身の濃い話ばかりで、参加者は4時間近くにわたって、熱心に耳を傾けました。


 
 一色氏は、塩ビの開発の歴史と現状を概説した上で、「塩ビの可能性を信じて、次の100年へ向け新たな価値を広げていく」と述べ、その手引書として自身の知見をまとめた『PVC読本』を執筆中であることを報告しました。
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 自動車レザー用に開発された塩ビスラッシュパウダーの多様な特性を紹介したニコラ・アムール氏は、最後にインモールド成型や3Dプリンターなどの最新技術が、自動車内装の世界に大きな変化をもたらす可能性を指摘。
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 丸紅の曽倉課長は、塩ビの世界市場の動向について、「2014年の需要は約4千万トン。中国が輸出国に転じる一方、インドは世界最大の輸入国になり、世界がインドの市況に注目するようになる」と予測しました。
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【プログラム】

1.「塩ビ技術の歴史と今後の展望
      〜世界をリードする日本の総合力」

 元(株)カネカ 化成事業部
 技術グループリーダー 一色 実 氏
2.「PVCスラッシュパウダー技術の概要と新技術」
 Changshu RESICHINA Engineering Polyme,
 General Manager Nicolas Amouroux, Ph. D. 氏
3.「塩ビの世界市場の動向について」
 丸紅(株)化学品部門 塩ビアルカリ部
 塩ビ貿易課長 曽倉 義久 氏
 講演終了の後、近畿化学工学会重合工学部の平田雄志会長が閉会の挨拶を行い「豊富な内容で参考になる情報が多かったと思う。民間の活力を生かした塩ビのイノベーションを期待する」と述べて、会の最後を締めくくりました。