2005年12月 No.55
 
第3回「住まいと環境・エネルギーセミナー」から

  小池環境相を迎え、
  “クリーンな次世代住宅”テーマに講演とパネル討論
 

    “クリーンで快適な次世代の住まいづくり”をテーマに、第3回「住まいと環境・エネルギーセミナー〜ライフスタイルの転換で、快適なエコ生活を」(主催=(財)地球・人間環境フォーラム/塩ビ工業・環境協会:後援=環境省)が10月12日午後6時20分から、東京築地の浜離宮朝日ホールで開かれ、およそ400名の参加者が、講演やパネルディスカッションを通じ、省エネ住宅の有効性などについて理解を深めました。  

■ 樹脂(塩ビ)サッシは「建物のウォームビズ」

 地球環境をよくする上で、私たちの家づくりには何が求められるのか?「住まいと環境・エネルギーセミナー」は、そんな身近なところから環境問題を考えてみようというもので、3年連続の開催となった今回は、昨年に続き小池百合子環境大臣が来賓として出席。国の環境政策と市民の役割などについて講演を行ったほか、淑徳大学・北野大教授の基調講演や有識者のパネルディスカッションを交えて、およそ2時間半にわたり熱心な討論が繰り広げられました。
 小池大臣は、「地球温暖化の防止に向けて私たちにできること」と題した講演の中で、京都議定書における温室効果ガスの削減目標を達成する上で、住宅の省エネ性、断熱性向上の必要性を強調。「日本の家庭にはやるべきことがまだたくさんある。太陽光発電や断熱性の高い樹脂(塩ビ)サッシは家庭における省エネの有力な手段です」と指摘したほか、暖房温度を20度に設定するなど6つのアクションで温室効果ガス削減を目指す国民的プロジェクト「チーム6%」の取り組みなどについて説明、「私たちが楽をするほど地球は泣いている」と述べて、環境立国・日本へ向けた国民1 人ひとりの自覚と行動を呼びかけました。
 一方、北野教授の基調講演は、「人類が初めて体験する資源の枯渇と気候変動」への対応策などを論じたもので、教授は「このままいけば2100年には地球の温度が1.4℃〜5.8℃上昇する。これをいかに防ぐか。環境に保険(予防対応)をかけて、21世紀を安全と安心の時代にしていくことが大切だ」と訴えました。
 続いて開かれたパネルディスカッションでは、フリーアナウンサーの酒井ゆきえさんを進行役に、北野教授、環境省の小林光地球環境局長、東京大学の坂本雄三教授、山形県でくらしのアドバイザーとして活躍する大滝典子さんの4 人が、省エネ住宅のあり方をめぐって意見交換。中でも樹脂(塩ビ)サッシについては、「CO
2削減だけでなく、室温の急変が引き起こす冬場のヒートショックを防止できる。これからの住宅は“温度のバリアフリー”を考える時代」(大滝さん)、「国も建物のウォームビズに取り組むべき」(坂本教授)、「環境省の庁舎にも樹脂(塩ビ)サッシの施工を検討している」(小林局長)など、その有効性を指摘する意見があいつぎました。