1999年3月 No.28
 
会長挨拶/1999年への抱負

塩ビ復権へ新規用途の開発、
失われた需要復活を積極支援。環境問題にも一層注力

塩化ビニル環境対策協議会(JPEC)
塩ビ工業・環境協会(VEC)
会長 金川 千尋

  昨年1月に塩ビ環境協会(5月から塩ビ工業・環境協会)の会長を仰せつかってから1年が経ちました。昨年は、不況と環境問題という逆風の下、大変厳しい1年でしたが、JPECおよびVECの会員各社や加工メーカーの皆様、官庁関係の方々、さらに関係する多くの企業や団体の方々より温かいご支援を頂戴しましたことを、ここに厚く御礼申し上げます。
  現在JPECおよびVECでは、活動のほぼ9割を環境問題に割き、塩ビに関する正しい理解の広報と、リサイクルの推進に努めております。特にVECでは昨年来、報道機関や有識者、関連業界への訪問や、各種シンポジウムや市民集会への参加を積極的に進めてまいりましたが、最近は以前のように過激で興味本位な報道は随分と減ったように思えます。
  加えまして、全国3,300を上回る地方自治体の方々に塩ビを正しく理解して頂くため、各都道府県のVEC会員各社や加工メーカーの工場にお願いして、全ての自治体を訪問していただいております。また、塩ビパイプのリサイクルや、日本鋼管?(NKK)、(株)トクヤマとの共同による新しいリサイクル技術の開発も着々と進んでおります。関係者の皆様にはこの場を借りて深く感謝申し上げます。
  さて、今年1999年は、まず第一に塩ビの復権を果たすために、塩ビのサイディング材のような新規用途の開発を、積極的に支援したいと思います。加えて一部のラップフィルムのように、昨今の塩ビ忌避の風潮で失われた需要の復活をぜひ進めたいと思います。
  私は、塩ビは物性、加工性、経済性、環境への貢献度を総合的に評価すれば、最も優れた樹脂であると確信しております。いま申し上げましたことをぜひとも実現させて、塩ビが生活に役立つ優れた樹脂であることを強力にアピールしたいと思います。どうか皆様の倍旧のご支援をよろしくお願い申し上げます。
  また、塩ビの代替製品を宣伝するに際して、実際には燃やせばダイオキシンが出るにもかかわらず全く出ないかのように謳い、塩ビに不当なダメージを与える企業が見られますが、これらに対しましては法的手段も辞さない態度で対応してまいる所存です。
  今年はまさに1900年代最後の年であります。今世紀前半に塩ビが工業化されてからの長い歴史を振り返りますと、感慨深いものがございます。来たる21世紀に向けて日本の塩ビ産業も、環境問題や商慣行の是正といった諸課題を早急に解決し、一刻も早く再投資が可能なあるべき姿へ立ち返らなければなりません。そのために私も微力ながら最善を尽くしてまいります。