2019年11月 No.108 

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Information ㈱水上の「omoio」ブランド

安全で快適な育児環境をサポートする多彩な製品。
塩ビレザーで付加価値アップ

 安心できる社会、安全に過ごせる生活、快適に感じられる環境に寄与したい。そんな想いをコンセプトに、㈱水上(水上嘉彰社長/本社:大阪市中央区)が展開する「omoio」ブランド。おむつ交換台やベビーチェア、楽しく遊べるキッズコーナーなど、安全快適な育児環境をサポートする多彩な製品づくりに、塩ビも大切な役割を担っています。

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付属のマジックテープでパーツをつなぐだけで、
子どもの遊ぶスペースを様々にプランニングできる
「スクエアD450シリーズ」
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2019年、第13回キッズデザイン賞を受賞した
据置型おむつ交換台「オムツっ子四方囲み」

「omoio」ブランドの3つのカテゴリー

 施設向けの育児製品として順調な普及が続く「omoio」ブランド。試しに、同社のサイト(https://www.omoio.jp)を覗いてみると、幼稚園・保育園はもとより、ショッピングモールや各種展示場などの商業施設、小児科や歯科などの病院、さらには官公庁、劇場、公園、高速道路のSA、空港ターミナル等々、同社の製品が幅広い場面で活躍していることに驚かされます。
 「omoio」ブランドの製品は、用途に応じて「トイレスペース」「ベビールーム」「キッズスペース」の3つのカテゴリーに分けられます。それぞれに多彩なアイテムがラインナップされていますが、ここで注目したいのは、その多くに塩ビレザーがカバー材として利用され、製品の付加価値を高めていること。以下、この点に注目して主な製品を見ていきます。

安全、清潔、面白さ

 「トイレスペース」のカテゴリーは、おむつ交換台などトイレ回りの製品やベビーチェアなどを中心としたもので、おむつ交換用の「オムツっ子」シリーズがメインアイテム。

株式会社 水上(みずかみ)

 1947年6月、「水上金属」として京都で創業。会社設立は1953年12月。建具金物や建築資材などの卸売業として、72年に及ぶ実績を有する。2016年、㈱アビーロードより事業の譲渡を受け、育児製品の分野に進出。2018年、従来のアビーロード事業部をリニューアルしてオモイオ事業部を立ち上げ、製品コンセプトを鮮明にした。自社独自の製品開発も進め、商業施設を中心に様々な場所で利用されている。現社名への変更は2019年4月から。

 中でも、収納式おむつ交換台(縦型)「オムツっ子V1」は、本体(交換台)に塩ビレザーを上張りすることで安全性や清潔感を高めると同時に、丸みのある柔らかなフォルムを実現。こうした製品設計が評価されて、2018年の「キッズデザイン賞」(NPOキッズデザイン協議会主催。「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」などに贈られる賞)を受賞しています。

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収納式おむつ交換台(縦型)「オムツっ子V1」は、2018年のキッズデザイン賞受賞製品。(交換台上の取替えマットも塩ビ製)

 「ベビールーム」のカテゴリーには、授乳専用の各種チェア・テーブルや休憩用のファニチャー類などが含まれますが、注目は、掴まり立ちできる子ども用の着替え台「オムツっ子たっち」(下の写真)。全面塩ビレザー張りでクッション性が高く、優れた建築材料・住宅設備の製品・技術を表彰する「KENTEN AWARD2019」(主催=一般社団法人日本建築材料協会、日本経済新聞社他)において、最優秀賞である経済産業省製造産業局長賞を受賞した製品です。また、オムツっ子シリーズのひとつ、据置型おむつ交換台「オムツっ子四方囲み」(冒頭の写真)も、先の「オムツっ子V1」と同様、交換台に塩ビレザーを上張りした製品。

 
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据置型おきがえ台・オムツっ子たっち

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授乳専用チェア「フェアリーチェア50」も
「KENTEN AWARD2019」受賞

 一方、子どもたちが安全に遊べる空間づくりに関わるのが「キッズスペース」の製品群。上の写真に見るとおり、キャラクターデザインの面白さ、カラーバリエーションの豊富さなどで、子どもたちには大人気だとか。塩ビレザー張りなので、丈夫で汚れ落としなどのメンテナンスしやすいのも特長です(冒頭の写真「スクエアD450シリーズ」も参照)。 

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可愛いらしいデザインに、鮮やかな色彩。見るだけでも楽しい「キッズスペース」製品のいろいろ。

介護分野への展開も視野に

 「弊社は建築金物の卸売りが本業だが、『omoio』ブランドの製品については、“工場を持たないメーカー”という意識 で取り組んでいる。製品の企画は設計会社との共同開発、製造は関西一円の工場に委託する形だが、各種試験などは飽くまでも弊社の責任において行っており、きちんと結果の出たものだけを世に出すようにしている」と説明するのは、オモイオ事業部統括責任者の水上宏樹副社長。
 中でも、安全性への配慮は重要なポイントで、「子どもが指を挟んだりしないよう、あらゆる隙間をチェックしたり、荷重試験を繰り返したりして、隅々まで改良を重ねている」と言います。また、衛生や清潔感に対する意識の高まりから、塩ビレザーは抗菌仕様が基本。安全面でも防炎機能付きが基本仕様となっており、「コストは高くなっても、一般のレザーよりもグレードの高いものを採用する」という方針が貫かれています。
 同社では、「omoio」ブランドを福祉の分野に展開することも視野に入れています。「本業の建築資材でも手摺や把手などの介助用製品を扱っている。そうした従来の製品と『omoio』ブランドを合わせて、トータルで新しいビジネスの可能性を広げてきたい」(水上副社長)

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水上の洗面・手洗器用手摺。
表面を軟質塩ビでコーティングしている。